網膜硝子体手術

安全性を追求した硝子体手術

眼内で水晶体より後方には透明な硝子体と隣接する網膜があり、ここには出血や混濁、膜形成、網膜剥離といった様々な疾患が発生します。硝子体手術では対象となる病態に応じて、硝子体切除や膜の剥離、出血の吸引や眼内レーザー光凝固など繊細な手技を積み重ねていきます。このステップを一つ一つ慎重に丁寧に遂行していくことが良好な結果に繋がる最善の方法となります。

網膜硝子体手術の図

硝子体手術には切開創の大きさで種類があり、以前は20ゲージ(0.9mm)が主体で行われていましたが、現在は23ゲージ(0.7mm)あるいは25ゲージ(0.5mm)といった小切開化が進んでいます。当院では現時点で最少となる27ゲージ(0.4mm)の極めて小さな切開による最新の硝子体手術を導入しております。

網膜硝子体手術の医療器具

切開創が小さくなると眼の負担が軽減して感染のリスクが少なくなり、安全性の向上につながりますが、そのままでは硝子体の切除効率や器具の剛性が低下して手術時間が延長してしまいます。しかし手術機械の進歩と高剛性鑷子の登場により、その両立が可能になっています。

手術機械と顕微鏡

白内障硝子体手術装置に米国Alcon社Constellation(コンステレーション)を使用しています。白内障手術では水晶体核の高い破砕効率と良好な前房安定性を発揮し、硝子体手術では高速駆動の高効率硝子体カッターと精密な眼内圧コントロール、広角のシャンデリア照明を備えています。世界中の眼科手術医が使用している最新鋭の手術機械です。
またドイツの歴史ある光学機器製造メーカーであるZEISS社の手術顕微鏡Lumera Tを用いており、執刀医の視線と完全同軸に観察照明を配置することで、非常に鮮明で切れのある拡大像を得ることが出来ます。さらに硝子体手術ではResight(リサイト)と呼ばれる非接触広角眼底観察システムを用いて、細かい黄斑部操作から網膜最周辺部の操作まで瞬時に切り替えて行うことが出来ます。
コンステレーションとLumera T、Resightを組み合わせることにより、現状で取りうる最高のパフォーマンスで網膜硝子体手術を行うことが出来ます。

手術費用

網膜硝子体手術は基本的に保険診療の範囲内で行います。対象疾患や併施する手術により負担額が変わります(下記は一例です)。

①硝子体手術のみの場合

1割負担 31,000円~46,000円  3割負担 93,000円~138,000円

②硝子体手術と白内障手術を併施した場合

1割負担 36,000円~53,000円  3割負担 108,000円~159,000円