多焦点眼内レンズ
通常の単焦点眼内レンズでは老眼の発生が避けられませんでしたが、多焦点眼内レンズは遠方と近方の双方にピントを合わせることが出来るため、老眼を克服し快適な視界を得ることが出来ます。
利便性に大変優れたレンズですが、全ての距離をカバーする万能レンズというわけではありません。
また光のにじみや散乱(グレア、ハロー)があり、角膜乱視の影響を受けやすいといった特徴があるため、全ての方の眼の条件に合致するものでもありません。
適応に関しては事前に十分な検査とご説明を行い、患者様の理解が得られた上で慎重に施行していきます。
選定療養と手術費用
令和2年4月から多焦点眼内レンズを使用した白内障手術は選定療養の対象となりました。選定療養とは患者さんご自身が選択する医療オプションであり、その分(多焦点眼内レンズの費用)は全額自己負担となります。
手術そのものの費用は通常の白内障手術と同じく医療保険が適応(1~3割)されます。
手術費用 選定療養の多焦点レンズ費用+保険診療の白内障手術費
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単焦点レンズで遠方にピントがあった状態 -
単焦点レンズで近方にピントがあった状態 -
多焦点レンズで遠近両方にピントがあった状態
使用できる多焦点レンズ
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テクニスシナジー
200,650円(乱視補正用は222,650円)
遠方から近方まで途切れの無い連続焦点と良好なコントラストを実現しており、中間から近距離も2焦点レンズのような落ち込みが無く自然な見え方が期待できる -
テクニスマルチフォーカル
80,750円
スタンダードな回折型の遠近2重焦点レンズ、加入度数を3種類から選べる -
テクニスシンフォニー
102,750円(乱視補正用は124,750円)
遠方~中間まで連続的に見える焦点深度拡張型レンズ(EDoF)、コントラストに優れる -
パンオプティクス
200,650円(乱視補正用は222,650円)
遠方、中間、近方に幅広く焦点を結ぶ3重焦点レンズ、バランスの良い見え方 -
IQレストア/アクティブフォーカス
130,250円(乱視補正用は152,250円)
アポダイズ回折型の着色2重焦点レンズ、グレアハローが少なくコントラストに優れる